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「ピーター・グライムズ」はニシン漁 新国立劇場 [演劇、釣]

 趣味の釣ではないが、職業を漁とする人物の話しである。
 「ピーター・グライムズ」は漁師であり、漁船の船主であり、大漁と自分の店とマイホームと意中の女性との結婚という目標を持つのだが、孤児院から雇った徒弟を酷使し二人死なせる。決して、悲劇を迎えた孤高の人物などではない。
 1945年、第二次大戦直後にロンドンで初演とのこと。英国でも戦災孤児が社会問題であった頃であろう。
 歌詞から舞台は、ニシン漁を営む漁村である。今回の舞台は総じて地味であるが、村人中で輪唱する"Old Joe Has Gone Fishing"は圧巻。二人目の徒弟を死なせ、村人達に追い詰められた主人公は、沖で船を沈めるよう、さよならを勧告される。が、結末は、これに因る自殺なのか、村人皆で船底に穴でも開けてやったのかは、歌詞からは不明であった。
 船主のグライムズが野心的な宗主国、死んでいった徒弟が植民地、噂し、糾弾する村人が戦後民主化の国際世論と置き換えて観るのも一つの解釈である、と解説書にあるかと探したが、無くとも、単純明快な解釈であろう。
 作曲者ブリテンは「青少年のための管弦楽入門」で知る人の多いところであり、そして歌手の声は荘厳であり、美しくもある。

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「共喰い」の鰻釣り [本、釣り]

 「東京都民のため...」とあったので、田中慎弥作「共喰い」を読む。
 ここに書かれる鰻仕掛けは二通りであり、一つは鰻鈎を用い一つは「釘針」の仕掛けである。描写を読むかぎり、後者は、釘の頭を切り落としてやすりをかけ、反対側と同じように尖らせる、のであり両端から蚯蚓(ミミズ)を一匹ずつ刺す直線的な「針」の形状である。
 真ん中をやすりで削ってくぼみを持たせ、そこにハリスを結ぶ。
 この仕掛けを私は初めて知ったのだが、関西で重宝される仕掛けと思われる。そもそも、鰻鈎は三越鈎とも呼ばれるが、ふところが狭く、長く、鰻が咥えやすく作られていることからも、この直線の釘針は、理に適ったアイデアと言えよう。
 過日の「大江戸釣客伝」の書中、テグスの輪に餌を数珠繋ぎにし、釣鈎を用いぬ仕掛けがあった。餌に食い付いた沙魚(ハゼ)の歯にテグスが噛み、咥えて離さぬところを釣り上げる釣法である。
 「共喰い」の釘針仕掛けも鰻の喉元で釘が突っ張り、抜けなくなる点で「大江戸釣客伝」と若干の類似を感じる。
 私の理解では、そう言う事なのだが、正しいのか、一抹の不安を覚える。

うなぎ図解.JPG
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鳥瞰図の魚拓 [演劇、釣]

 舞台セットは、釣船屋。店内には、アジ、フグ、タチウオ、ハゼ、シロギスの乗合料金表が貼られ、正面の鴨居と天井の間には欄間の代わりにヒラメの魚拓が、居間と店舗の間の壁には、カレイやキス、また美しいブダイ、メバルの色彩魚拓、店舗の出入口サッシの上には、タイ(チヌ?)の魚拓が貼ってある。なぜか、スズキやフッコは無かった。
 新国立劇場にて、早船聡作「鳥瞰図」を観た。「春から夏へ」と題した三部の一つとして上演している。パンフレット売場で山本周五郎の「青べか物語」を販売しているので、店員に尋ねたところ、作者自ら芝居の舞台を青べかと同じくした浦安市(青べかでは、浦粕町)にしたとのこと。
 台詞中、「サンデー毎日」や東京ディズニーランドが出てくる。また「アサオカ マキ」なる元AV女優が経営する飲食店が駅の側にできた設定となっている。アサオカ マキは、劇中のアダルトビデオの中で、ホルンではなく、たて笛を鳴らすのであり、登場人物達である市民は、一同、懐かしがる。また、峰島なる元漁師の老人が市営アパートで孤独死し、死後七日で発見される。補償金がでても漁協で埋立に最後まで反対していたため、みんなから嫌われちゃったそうである。渡り鳥の集う美しい海浜であった「美浜」は、汚染の後、殆どが埋立てられてしまったとのことである。
 公共放送のNHKでは、特定の企業・団体・商品が放送内容により広告とならないようにするための配慮が設けられていると聞くが、NHKも、日本の商標法などによる規制を受けるためとのことである。当然、新・国立劇場で上演する限り、メディアは異なれど、商標、商号の使用がなされるにあたり、事前に商標権者の許可を受けているのであろう。ならば、不動産業、建設業からすれば、浦安を初めウォーターフロントの地名自体がブランドであるのは実質であろうし、そこに住む市民に不利益を与える使用の仕方は自重すべきであろう。
 老漁師の葬儀に釣宿中で出ると同時にナイトクルージングと釣の団体予約が入り、「こうして、『しっつぁんはすっかり役者(賢い)になった』という評(うわさ)が弘まった。」とは、台詞にはなかった。

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私の釣魚小全 [釣、バックパッキング]

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