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「ピーター・グライムズ」はニシン漁 新国立劇場 [演劇、釣]

 趣味の釣ではないが、職業を漁とする人物の話しである。
 「ピーター・グライムズ」は漁師であり、漁船の船主であり、大漁と自分の店とマイホームと意中の女性との結婚という目標を持つのだが、孤児院から雇った徒弟を酷使し二人死なせる。決して、悲劇を迎えた孤高の人物などではない。
 1945年、第二次大戦直後にロンドンで初演とのこと。英国でも戦災孤児が社会問題であった頃であろう。
 歌詞から舞台は、ニシン漁を営む漁村である。今回の舞台は総じて地味であるが、村人中で輪唱する"Old Joe Has Gone Fishing"は圧巻。二人目の徒弟を死なせ、村人達に追い詰められた主人公は、沖で船を沈めるよう、さよならを勧告される。が、結末は、これに因る自殺なのか、村人皆で船底に穴でも開けてやったのかは、歌詞からは不明であった。
 船主のグライムズが野心的な宗主国、死んでいった徒弟が植民地、噂し、糾弾する村人が戦後民主化の国際世論と置き換えて観るのも一つの解釈である、と解説書にあるかと探したが、無くとも、単純明快な解釈であろう。
 作曲者ブリテンは「青少年のための管弦楽入門」で知る人の多いところであり、そして歌手の声は荘厳であり、美しくもある。

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