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鳥瞰図の魚拓 [演劇、釣]

 舞台セットは、釣船屋。店内には、アジ、フグ、タチウオ、ハゼ、シロギスの乗合料金表が貼られ、正面の鴨居と天井の間には欄間の代わりにヒラメの魚拓が、居間と店舗の間の壁には、カレイやキス、また美しいブダイ、メバルの色彩魚拓、店舗の出入口サッシの上には、タイ(チヌ?)の魚拓が貼ってある。なぜか、スズキやフッコは無かった。
 新国立劇場にて、早船聡作「鳥瞰図」を観た。「春から夏へ」と題した三部の一つとして上演している。パンフレット売場で山本周五郎の「青べか物語」を販売しているので、店員に尋ねたところ、作者自ら芝居の舞台を青べかと同じくした浦安市(青べかでは、浦粕町)にしたとのこと。
 台詞中、「サンデー毎日」や東京ディズニーランドが出てくる。また「アサオカ マキ」なる元AV女優が経営する飲食店が駅の側にできた設定となっている。アサオカ マキは、劇中のアダルトビデオの中で、ホルンではなく、たて笛を鳴らすのであり、登場人物達である市民は、一同、懐かしがる。また、峰島なる元漁師の老人が市営アパートで孤独死し、死後七日で発見される。補償金がでても漁協で埋立に最後まで反対していたため、みんなから嫌われちゃったそうである。渡り鳥の集う美しい海浜であった「美浜」は、汚染の後、殆どが埋立てられてしまったとのことである。
 公共放送のNHKでは、特定の企業・団体・商品が放送内容により広告とならないようにするための配慮が設けられていると聞くが、NHKも、日本の商標法などによる規制を受けるためとのことである。当然、新・国立劇場で上演する限り、メディアは異なれど、商標、商号の使用がなされるにあたり、事前に商標権者の許可を受けているのであろう。ならば、不動産業、建設業からすれば、浦安を初めウォーターフロントの地名自体がブランドであるのは実質であろうし、そこに住む市民に不利益を与える使用の仕方は自重すべきであろう。
 老漁師の葬儀に釣宿中で出ると同時にナイトクルージングと釣の団体予約が入り、「こうして、『しっつぁんはすっかり役者(賢い)になった』という評(うわさ)が弘まった。」とは、台詞にはなかった。

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