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「共喰い」の鰻釣り [本、釣り]

 「東京都民のため...」とあったので、田中慎弥作「共喰い」を読む。
 ここに書かれる鰻仕掛けは二通りであり、一つは鰻鈎を用い一つは「釘針」の仕掛けである。描写を読むかぎり、後者は、釘の頭を切り落としてやすりをかけ、反対側と同じように尖らせる、のであり両端から蚯蚓(ミミズ)を一匹ずつ刺す直線的な「針」の形状である。
 真ん中をやすりで削ってくぼみを持たせ、そこにハリスを結ぶ。
 この仕掛けを私は初めて知ったのだが、関西で重宝される仕掛けと思われる。そもそも、鰻鈎は三越鈎とも呼ばれるが、ふところが狭く、長く、鰻が咥えやすく作られていることからも、この直線の釘針は、理に適ったアイデアと言えよう。
 過日の「大江戸釣客伝」の書中、テグスの輪に餌を数珠繋ぎにし、釣鈎を用いぬ仕掛けがあった。餌に食い付いた沙魚(ハゼ)の歯にテグスが噛み、咥えて離さぬところを釣り上げる釣法である。
 「共喰い」の釘針仕掛けも鰻の喉元で釘が突っ張り、抜けなくなる点で「大江戸釣客伝」と若干の類似を感じる。
 私の理解では、そう言う事なのだが、正しいのか、一抹の不安を覚える。

うなぎ図解.JPG
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